産業廃棄物収集運搬業許可申請
はじめに
はじめて産業廃棄物の収集運搬業の許可申請を行おうとする方たちへ、どのようなことが必要なのかを具体例をもってわかりやすく説明いたします。どうも、役所の申請手引書を読みますと、なんのことやら分らないと思いますので、ポイントを限定して解説いたしました。
はじめて産業廃棄物の収集運搬業の許可申請を行おうとする方たちへ、どのようなことが必要なのかを具体例をもってわかりやすく説明いたします。どうも、役所の申請手引書を読みますと、なんのことやら分らないと思いますので、ポイントを限定して解説いたしました。
1.産業廃棄物収集運搬業許可の種類
産業廃棄物収集運搬業の許可には厳密には4種類ございまして、産業廃棄物収集運搬業許可(積替え・保管を除く)、産業廃棄物収集運搬業許可(積替え・保管を含む)、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(積替え・保管を除く)、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(積替え・保管を含む)となっております。ほとんどの方が、最初は産業廃棄物収集運搬業許可(積替え・保管を除く)を申請いたしますので、この申請をするための考え方を解説いたしました。なお、許可取得後、積替え保管施設の許可が欲しい、と要望される方がございますので、本文最後に積替え保管の許可の概略説明をいたしました。
2.許可権者について
産業廃棄物の収集運搬業は、排出エリア(廃棄物の発生源)と搬入エリア(廃棄物の持ち込み先)ごとに許可を申請する必要があります。途中で通過するだけの自治体の許可は必要ありません。ただし、建設解体業の方の場合、どこの場所で工事の見積がかかるのか予想できませんので、多めに許可だけ取っておく方が多いようです。ここで、以下に、現在、関東地方内にある許可の一覧を明示しました。(東京都) 東京都(神奈川県) 神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市、相模原市
(埼玉県) 埼玉県、さいたま市、川越市
(千葉県) 千葉県、千葉市、船橋市 柏市(平成20年4月より)
(茨城県) 茨城県
(栃木県) 栃木県
(群馬県) 群馬県
3.欠格要件について
申請人が法人の場合、その法人の役員、株保有率5%以上の株主、支店・営業所がある場合のその責任者に以下の人がいる場合、許可を出さないこととなっております。
申請人が、個人(自営業の方)の場合、申請人自身のみがその該当者となります。
①廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反(たとえば、不法投棄等)で刑が確定した時から、その執行を受けなくなった時からその後の5年間に該当する人
②廃棄物の処理及び清掃に関する法律以外の法令違反で禁固刑以上の刑事処分を受けて、その執行を受けなくなった時からその後の5年間に該当する人
③成年被後見人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ない人
なんのことか、わからないと思いますので、解説します。
まず、①のケースですが、廃掃法違反で、何らかの罰金を裁判所から受けたとします。その裁判所からの刑の確定を受けたときから5年間は、法人の役員、株保有率5%以上の株主、支店・営業所がある場合のその事務所の責任者にはなれません、という意味です。罰金とは別で執行猶予がつくことがございます。その場合、執行猶予がとけてその後の5年間はだめです、という意味です。
②は、廃掃法以外の法律違反で、刑務所に入り、出所後、執行猶予がとけてその後の5年間はだめです、という意味です。
③は、ほとんど商売をしている方の中ではいませんので、無視してください。
意外とキツイことが書いてますね。廃掃法違反で捕まれば、1万円の罰金で長いあいだ、役員なり株主になれない事情が発生するのであれば、大変ですよね。
新規許可を申請する場合には、この欠格事由に該当する人をあらかじめ排除すればよいのですが、許可後に法律違反者が出た場合に問題は深刻となります。対処方法は、刑が確定してから欠格事由に該当するのですから、刑が確定する前に、役員なり株主から排除することをします。
不法投棄などでは、裁判がありますので刑が確定するまで時間がかかりますのでそのあいだに工夫すれば良いのですが、小さな違反行為の場合、略式裁判で、短い期間で刑が確定しますので、時間がありません。素早い対応をしないと、許可を継続することができませんのでご注意願います。
警察で捜査されるようなことがあれば、まず、ご相談ください。
4.環境大臣認定講習会の受講
この講習会の修了証が申請に必要ですので、早めに受講願います。講習会の予約は、日本廃棄物処理振興センターで受け付けておりますので、そちらの方にお申し込みください。なお、お急ぎの方は、弊事務所におきまして、申込用紙を用意しておりますので、お電話・FAXなどで、ご請求ください。即日に発送させていただきます。
この講習会の受講該当者は、申請者が法人の場合、法人役員の中のどなたか、自営業の方の場合、本人のみとなりますので、ご注意ください。
5.収集運搬するための必要な施設と車両の制約
廃棄物を運搬する運送業であるので、3つのものが必要となります。●車両 車両にはいろいろな種類がありますが、荷を運べる形状のものであれば、種類は問いません(過去に積載量250kgの軽トラックで申請したことがあります)が、ディーゼル車の場合、排ガス規制適合車でなければいけません。また、申請人の使用権原がはっきりしている車両でなければなりません。
●容器 荷台から、荷の飛散・流出を防ぐため、液体の廃棄物などの場合は、ドラム缶・ポリタンク等が必要となります。また、建設系廃棄物の場合、荷姿の上に、飛散防止のためブルーシートなどでかぶせる必要があります。
●駐車場 申請人の使用権原が確認できる駐車場。広さは車庫証明を取るのに十分な広さ。また、地目は農地(田または畑)以外のところです。
駐車場が農地(土地登記簿上の地目が田や畑の場合)の場合、農地法上の規制で問題が生じる場合がございます。また、現在、首都圏ではディーゼル車の排ガス規制の問題があります。
まず、現在使われている車両の中で、どの車両が申請車両として使えるのか選別する必要があります。
そこで、最初に駐車場の問題を考えます。駐車場の地目が農地(田もしくは畑)の場合、現実問題として茨城県では許可を下しておりません。では、現実に今、使用している駐車場が農地である場合、どうすれば良いのでしょうか?
ひとつは、農地転用許可申請を産業廃棄物収集運搬業許可申請を行う前に事前に行うことで、将来、地目が雑種地に変更になることを行政側に説明します。
または、駐車場を現在使用しているところから、別の場所に借り換える必要があります。どちらを選択するのかは、申請人が決断することですが、どちらを選択してもお金がかかることとなります。
そこで、弊事務所では、今までの過去の経験から、なるべくお金と時間がかからなくて、許可申請を行える方法をいくつか考えておりますので、農地である場合、事前にご相談ください。
では、次の問題に移ります。ディーゼル車の排ガス規制に該当する車両につきましては、南関東(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県内の一都三県)におきましては、原則、新車登録から7年間を経過したディーゼル車両は、申請車両として使うことができません。
そこで、車両が5台あるけど、適合車両が1台しかない場合、どうすれば良いでしょうか?収集運搬業の許可がないとマニフェストを流通することができないのですから、とりあえず1台で申請することをしております。では0台の場合は?とても困りますよね、5台のうち、1台に粒子状物質減少装置(酸化触媒等)を取り付けることで苦し紛れの許可申請を行う、またはガソリン車であれば登録年度は問われないのであるから、中古の安いガソリン車を購入することで、1台の申請車両を創出する。申請車両として使える車両を申請用に賃貸借契約書を添えることで友人などから借りてきて申請する(ただし、この手段は東京都では現在、通用しません)。ほかにも手はあるのですが、詳しくは個別案件となるものですから、弊事務所までご相談ください。
しかしながら、ゴミの最大発生源は東京都内でありますので、産業廃棄物の収集運搬業許可を取得するのであれば、東京都許可がなければ他県の許可を得たところであまり意味をなしません。
そこで、次は、東京都許可を得るためには最低限、どのようなことが必要であるのかについて説明します。
実は、ディーゼル車の排ガス規制の言いだしっぺは東京都ですので、これに関する規制は東京都が一番きついんです。前述したように申請車両を1台創出することで許可にはなるのですが、その1台の垣根が一番高いのが東京都なのです。この排ガス規制が始まる前は、東京都でも実際の車両より少ない車両での申請、名義借り車両の申請車両化の横行が他県同様ありましたが、それを出来ないルール運用に、現在なっております。
具体的に申しますと、お手元の車検証の所有者の欄と使用者の欄の両方が申請者名義でないと、申請車両として取り扱わないこととなっております。例えば、最近法人化して、申請人は法人なのですが、自営業時のなごりで所有者・使用者が社長個人名だったりすることがございます。そんなとき、東京都では、車検証を作り直してきてほしい、と云うのです。所有者の欄が申請人本人でない場合は、ローン・リース等の残債が残っていることを意味しています。従いまして、東京都の場合、残債がない車両が最低1台保有していないと許可申請できないこととなっております。
これらの点を考慮しながら、どこの都道府県等に申請するのか、検討する必要があります。
6.カテゴリーと建設解体業のアスベスト処理
産業廃棄物は、廃掃法で規定している一般廃棄物(家庭系一般廃棄物と事業系一般廃棄物)以外の廃棄物として法律で規制する必要のある廃棄物のことを指しています。一般廃棄物は、市町村の清掃工場で処分しておりますが、産業廃棄物は産業廃棄物の中間処理場に廃棄物を持ち込むことになります。そういう意味で、産業廃棄物と一般廃棄物は同じ種類の廃棄物であっても、ゴミの出どころと持ち込みルートに違いがあります。
ゴミの種類は特別管理型産業廃棄物を除けば20種類のカテゴリー(たとえば、木くず、紙くず等)に分けられております。産業廃棄物収集運搬業許可申請を行う上で、申請側が申請書のなかで、取扱う廃棄物の種類を限定して申請する必要があります。それでは、申請人が日常業務で運搬予定の廃棄物の種類はお分かりでしょうか?
弊事務所の過去の例で、ボーリング場のピンというのがありました。あれは、無垢の木材にプラスチック材をコーティングしたものなのです。この場合、カテゴリーは木くずと廃プラスチック類の2種類ということになりました。使い終わった蛍光灯はどうでしょうか?今の例であれば、さしずめ、ガラスくずと金属くずということでしょうか。ところが、実際は、ガラスくず一種類となります。資源のリサイクル率の向上を謳い文句にしている行政側がゴミの処分方法のルートを考慮した上で実は、勝手に決めているのです。
従いまして、申請人がどのカテゴリーに属する廃棄物であるのか、決めかねるようなものがございましたら、事前に弊事務所までご相談くださいませ。行政側と事前相談をいたします。
特に、液状のものなどは、検査機関等で性質検査の上、行政側と事前協議が必要となる場合がまま、ありますのでご注意願います。
実際の申請品目につきましては、将来、増えるかもしれない品目とあわせて申請した方が良いかと思われます。品目を追加するのに、事業範囲変更許可申請といいまして、新規許可と同じぐらいの費用が再度、掛かるためです。最初の打ち合わせで、この点は打ち合わせさせていただきます。
建設解体業のアスベスト処理の取扱いについて
昨年の12月1日より、アスベストの収集運搬についての取扱いが変わりましたので、ご報告いたします。
いわゆる建設系7品目(廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類の以上7種類)の許可業者は、許可の更新まで何らの手続きを取らずに、アスベストを含む石綿含有廃棄物を運べます。石綿含有廃棄物のカテゴリーですが、廃プラスチック類、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類の3種類となります。
新規および更新許可申請を行う場合、石綿含有廃棄物の持ち込み先の中間処理施設(廃プラスチック類、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類の圧縮減溶処理)の許可証のコピーもしくは最終処分場(廃プラスチック類、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類の埋め立て処分)の許可証のコピーを追加添付することとなりました。
持ち込み先許可証のコピーが入手困難な場合、弊事務所においてご用意いたしますので、ご相談ください。
7.事業計画・経理要件について
申請書に事業計画の欄がございますが、書類の書き手である行政書士側で、慎重に作成いたしますので、ご安心ください。なお、ここでポイントとなるのは、排出先(申請人のお客様が申請先の区域にある)と搬入先(ゴミの処分先中間処理場等の収集運搬の許可を持っている、もしくは申請予定である)との整合性、と運ぶ廃棄物のカテゴリーが申請書とおりのものであるかどうか、です。
4年ほど前から、環境省から、決算内容が悪い会社は不法投棄をする傾向にあるので、最新の決算書で債務超過の申請人には許可を出さないように指導しております。といっても、昨今の排ガス規制の問題で車両の入れ替え時期にあたり新車の大量購入などで一時的に債務超過に陥ることがままあります。そこで、許可を出している各都道府県等の行政側では、温度差はありますが、柔軟な対応を現状ではとっております。
そこで、許可申請(新規・更新共に)時に債務超過の企業は、経営改善計画書を提出することとなっております。その際、弊事務所で書類は作成することとなりますが、債務超過になった理由について明記することとなりますので、理由が慢性的なものでなく一時的な理由による必要があります。そのあたりを、申請前に事前相談しておく必要がありますのでご注意願います。なお、この話は、債務超過の会社のみの話ですので、黒字経営の会社には関係ない話です。
以上の点をクリアーの上、申請いたしますと、後日、産業廃棄物収集運搬業許可証(積替え・保管を除く)が申請先の役所から交付されることとなります。
相馬健現在、主に産業廃棄物関係の許認可業務を主体に行っております。最近では施設許可、たとえば積替え保管施設、中間処理施設の土地買収から施設の操業までの様々な行政手続き全般をやらせていただけるようになりました。また、似たような仕事ということで、霊園墓地の許認可業務も行っております(過去の実績としては、積替え保管新規施設2件、自動車解体業新規許可4件、中間処理新規施設2件、霊園墓地営業許可新規3件となっております。本数で一番多いのは産業廃棄物収集運搬業新規許可申請なのですが、数を数えておりませんが、おそらく300本近くあるかと思います。また建設業新規許可(約20本)、自動車貨物運送業新規許可(約10本)がその次にくるかと。なお自社処分最終処分場の新規申請のご相談を現在、承っております)
それとは別に、内容証明に代表される日常での民事法務相談も行っております。
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