「行政書士」という職業のことを聞いたことがある人は多いでしょう。しかし行政書士がどのような資格を有し、どのような業務を行っているかということになると、具体的に言える人は少ないようです。それは行政書士の仕事の範囲が幅広いということも原因のひとつでしょう。

行政書士は、行政書士法に基づいた国家資格の保有者であり、役所に提出する許認可書類の作成や提出等を代理で行う職業です。書類の作成などたいした作業ではない考える人もいるかもしれません。しかし、役所に提出する許認可書類には、遺言書等の権利義務や事実証明及び契約書など様々な種類があります。そして、そうした許認可書類は、日本の社会が高度になるほど複雑になり、増加しているのです。

また書類の中には、専門的な知識が必要な書類もあり、個人が許認可書類を作成、提出することは非常に難しくなっています。企業においても、そうした許認可書類を作成するには、書類を作成するための人員が必要なことであり、書類の間違いなどによっては業務に支障が生じてしまうこともあることから、許認可書類の作成は企業にとっても大きな負担なのです。

行政書士とはそうした許認可書類に関する専門的な知識を持ち、個人や企業に代わり、書類の作成や提出、申請を行うスペシャリストです。行政書士が、書類等を正確、そして迅速に作成したり申請することによって、社会生活や企業の業務が円滑に行えるようになります。個人においてもいろいろな福祉サービスが実施される中で、行政書士を利用するとそうした法的サービスを利用しやすくなります。